第2回昆虫調査を終えて(その2)

2009年9月1日 16時13分 | カテゴリー: トピックス

〜身近な自然調べから見た虫たちのリサイクル活動〜

生き物調査結果表
生き物調査結果表
 
 結果の表を見ると、昨年同様、広大な緑地面積を誇るサンシティの樹林地では昆虫の数も種類数も貧弱でした。それに比べて西台公園では生き物の賑わいがあり、里山公園は数では西台公園を上回るものの、昆虫の種類を見ると自然度は西台公園ほど豊かな森とは言えません。
表の一番上の「アオオサムシ」は区内では赤塚城址と西台公園にしかいないのではと思われている貴重な虫ですが、西台公園で1匹かかりました(写真)。3cm近くある緑がかった金属光沢のきれいな虫です。漫画家の手塚治虫がペンネームを「オサムシ」からとったという話は有名です。アオオサムシは、ある程度自然が残された場所にいる肉食性(ミミズなどを食べる)の昆虫で、後翅が退化して飛ぶことが出来ないので、いったんその場所で絶滅すると余所からやってくることは期待できません。アオオサムシの存在は自然が比較的残っているという証明になります。
 「オオヒラタシデムシ」は2cm位の黒い色をした虫で、動物の死骸を食べるので「死出虫」と書き、昆虫図鑑には「ネズミなどの死骸を見つけると下の土を掘って一晩で土に埋め、死体に卵を生みつける・・」と書いてあり、小さな虫が大きなネズミの死骸に挑んでいる写真がでていました。森の掃除屋さんです。えらいですね。シデムシは里山公園でもサンシティでもかかりませんでしたが、西台公園で30匹かかりました。また、西台公園の前の道でシデムシの幼虫がミミズの死骸にたかっていました(写真3)。たかが虫やミミズの死骸ですが、誰が片付けるか(食べるか)によって、緑地の自然度がわかるのです。赤塚城址ではよく見かける光景ですが、みなさんのご近所ではどうでしょうか?
 センチコガネとエンマコガネは3カ所でいました。どちらも糞を食べるコガネムシの仲間です。センチコガネは紫がかった金属光沢の2cm位のきれいな虫で、でも名前の由来は雪隠(便所)コガネ。エンマコガネは1cmにも満たない小さな虫です。彼らは、糞を食べ、土の中に糞を運び入れて卵を生み、幼虫は糞を食べて育ちます。
犬の糞はどこにでもあるので、糞を食べる虫はどこにでもいるように思われますが、例えば前野公園や大山公園のように木はあっても地面が固く人工的な環境ではいません。
生き物たちのリサイクル活動には、やはり、草むらがあり、落ち葉がたまり、土がやわらかい緑地が必要なようです。公園では当然のように繰り返し草刈りされます。年数がたつと表面の土が雨で流され、斜面はつるつるの地面がむき出しになっていきます。
西台公園も繰り返し草刈りされ、むき出しになった地面の土は雨で流されて、踏み固められて固く、つるつるになっています。西台公園の虫たちは、かろうじて残された下草のある場所に置いたトラップの中だけにいました。
つまり、ただ木が生えていて地面が死んでいる緑地と、下草が茂り落ち葉や腐った実や動物の死骸や糞を餌とする生き物がいて、効率よく土に戻し、また木の栄養にしてくれる、自然豊かな緑地があることがわかります。緑のまちづくりには、そういう緑の違いにも目を向けていきたいと思います。坂本 郁子