2010年昆虫調査の報告

2010年9月3日 13時30分 | カテゴリー: トピックス

「身近な自然は大切」と言うけれど・・

カナブンとシロテンハナムグリ
カナブンとシロテンハナムグリ
毎回昆虫調査の指導をして下さっている坂本郁子さんに報告書を書いて頂きました。

 西台1丁目の今の環8あたりは、環8が出来る前は都内とは思えない自然の空間でした。いたばし野鳥クラブが制作した猛禽類ツミの子育てを記録した映画がありますが、その舞台は環8が出来る前の西台公園とそばの民家です。
 失われた自然の記憶は薄れていき、環8のコンクリートにも慣れました。とは言え猛暑が続くと、アスファルトは50℃にもなり、コンクリートは暑苦しい。まちなかにある中台サンシティの森の涼しい木陰に入ると、つくづく緑の恩恵を感じ、みどりのまちづくりの大切さを痛感します。
 中台地域での「緑の質をしらべる」昆虫調査も3回目です。今年はサンシティの森と、しいのき公園の樹林地に暮らす昆虫を調べました。3回とも参加者が少なく、はからずも都会の森や生き物は魅力に乏しいことを証明する結果となりました。
 調査の方法は落ち葉や下草の下など地面に暮らす昆虫をトラップ(わな)により捕まえるものです。トラップに餌のカルピスを入れ、1地点に10個ずつ設置します。サンシティの森は広々していますが、樹林性の昆虫の種類も数もごくわずか、シイノキの巨木に隣接するシイノキ公園も似たり寄ったりで(でも、ちょっとまし)、立派な森に見えても自然度は貧弱です。
 私は「いたばし水と緑の会」会員で、赤塚城址の生き物も調査していますが、赤塚城址と比べて生き物がほとんどいない環境が信じられないくらいです。
 
 とは言ってもセミの抜け殻はいっぱいあったし、サンシティの森の中に入ってみると今年大量に発生したヒキガエルのおチビちゃんが2cm位に成長して、あちこちでぴょんぴょん跳んでいました。しいのき公園ではクヌギの甘い樹液にカナブン等が群がっていました。樹液は虫の好物で、カナブンばかりでなくチョウチョも樹液を吸いに来ます。
 さて、8月、セミがこれだけいるのに、セミとりをする子供の姿がありません。子供は忙しくて、もう生き物探しに興味がわかないのでしょうか。それともカブトムシのいない森はつまらないのでしょうか?
 都会だから、木があって、小鳥がいれば、虫なんかどうでもいい、とは思えません。魅力のない森だったら、子ども達のために、カブトムシがすめる魅力ある森に育てればいい。
 今年は「生物多様性年」です。板橋区では、昨年3月に策定した「板橋区環境基本計画(第二次)」において、望ましい環境像の一つとして「自然環境と生物多様性を保全するまち」を掲げています。
 10月には名古屋で生物多様性条約第10回締結国会議(COP10)が開かれ、話題も多くなってきました。関心を持って見守り、何が出来るか考えませんか。(坂本 郁子)

 トラップに入っていた昆虫等(トラップ設置:7月25日、回収:8月2日)
サンシティ特定樹林地: マダラカマドウマ、ビロードコガネ、コオロギの幼虫(5)、エンマコガネ(2)、ケシキスイ類(6)、ハサミムシ、他に小さいアリ(多)、クモ、ニホントカゲ(2)、
しいのき公園:カナブン、コオロギ幼虫(多)、コクロシデムシ、オオヒラタシデムシ、エンマコガネ(4)、エンマムシ、コクワガタ、サビキコリ(5)、コメツキムシの仲間、ケシキスイ類(3)ヒメジャノメ(4)、蛾、ゲジゲジ、ダンゴムシ(5)、特大のアリ(多)、大アリ(多)、小アリ(多)、